第27回BFAアジア選手権に向けた選考合宿最終日、侍ジャパン社会人野球代表は、千葉県柏市のグラウンドにて、JFE東日本との強化試合を行った。
試合は、合宿最終日とあって、それぞれの選手たちが自分の強みをしっかりとアピールできた内容となった。
日本代表は、1回裏。一死一、三塁のチャンスから、林 稔幸(富士重工業)が詰まりながらも、センターへの犠牲フライを放って、まず1点を先制。2回表には、相手打者の本塁打で同点を許したが、その裏、一死満塁から藤島琢哉(JR九州)の犠飛で2対1と勝ち越しに成功する。
投げては、先発・西村祐太(JR東日本東北)が2回1失点の力投を見せると、3回には酒居知史(大阪ガス)が最速145キロのストレートとキレのあるスライダー、ツーシームを投げ分け三者凡退の好投。
4回からは、阿部正大(TDK)がマウンドに上がると、140キロ前後の速球、カーブ、スライダーと緩急つけたピッチングで相手打線を翻弄。5回には、一死一塁から右前打を打たれたが、ライト藤島が強肩を披露。三塁・多幡雄一(Honda)へ一直線の返球を見せ、一塁走者を刺す好プレーで、この回も無失点で切り抜けた。
その裏、一死一塁から、4番・林が、バックスクリーンへ本塁打を放つ。ライナー性の当たりの本塁打に、ベンチからは感嘆の声が上がるほど、見事な一打となった。林は、強化試合に2試合出場して、3本塁打、8打点と大きな活躍をみせた。
安藤強監督も、
「柱となる選手だと期待していましたが、この2日間の結果はまさに期待通りの活躍ですね」と喜んだ。
4対1とリードを広げた日本代表は、6回表。社会人野球屈指の技巧派左腕・片山純一(JR東日本)が登板。左サイドから投げ込むキレ味鋭い速球と、スライダーで無失点に抑え、代表入りへ大きくアピール。
ここまでは代表経験者の活躍が目立った試合内容となったが、6回以降は、代表候補初選出の選手たちが活躍をみせた。
6回裏、二死から一、二塁の好機を作ると、2番西川龍馬(王子)が適時打。さらに、二死満塁から代打・谷 恭兵(西濃運輸)がセンターへの2点タイムリーを放ち、7対1と突き放す。
8回表に3点を失った日本代表だったが、9回から登板した近藤大亮(パナソニック)は、常時145キロ~148キロの直球で押すピッチングで2三振の快投。さらに10回表(※試合は変則10イニングを適用)には、一死一、三塁のピンチを招くも、最後は自慢の直球で締め、2回無失点の快投をみせた。
試合は8対4で日本代表が勝利し、選考合宿で行った3試合を2勝1敗で終えた。安藤監督は、
「もう少し試合がしたかったですね。数少ないイニングの中で、見極めていかなければならないので、先発向きの投手が中継ぎで投げてしまったことで、思うような投球ができないケースがありました。これは本人ではなく、力を出せなかった我々に責任があります。それでも多くの選手が力を発揮することが出来て、有意義な合宿だったと思います」と手応えを示した。
この強化試合の結果も参考にして、選考合宿に参加した37名から、このあと24人までに絞られ、8月下旬には第27回BFAアジア選手権に向けて代表選手がいよいよ発表となる。