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【U-18プレイバック】第25回IBAF 18U世界野球選手権大会、大谷翔平・藤浪晋太郎が初めて挑んだ世界の舞台

2015年8月22日

 2011年の第9回アジアAAA野球選手権で優勝を飾ったU-18日本代表が、今度は世界の頂点を目指して挑んだのが2012年の第25回IBAF 18U世界野球選手権大会。
 この年の代表選手の顔ぶれは、今、振り返ってみれば、錚々たるメンバーが揃っていた。

 2012年夏の甲子園出場は叶わなかったが、最速160キロをマークし、さらに野手としての高いセンスもアピールした大谷翔平(花巻東―北海道日本ハムファイターズ)。また、春夏の甲子園で、優勝投手に輝いた藤浪晋太郎(大阪桐蔭―阪神タイガース)。
 さらには大谷、藤浪と並ぶ好投手として注目された濱田達郎(愛工大名電―中日ドラゴンズ)。2011年夏から2012年夏の甲子園まで3季連続で甲子園準優勝を飾った光星学院の主軸・北條史也(光星学院―阪神タイガース)と、田村龍弘(光星学院―千葉ロッテマリーンズ)。恵まれた長打力がウリの大型スラッガー・高橋大樹(龍谷大平安―広島東洋カープ)、2年生ながら代表に選出された大阪桐蔭の森友哉(大阪桐蔭―埼玉西武ライオンズ)など、全国の舞台でも活躍をみせる選手たちが揃った。

 それでも、大会では苦戦した。
 第1ラウンドの第1戦は、カナダと対戦。日本は、初回に1番・森がストレートを打ってライト前ヒットで出塁すると、2番・伊與田一起(明徳義塾―専修大)が犠打を決め、一死二塁。3番・田村も変化球を捉えてセンター前ヒットとチャンスを広げると、続く、4番大谷が犠飛を放って1点を先制した日本。さらに、5番・北條もレフト前への適時打を放って、2対0とカナダをリードする。
 先発の大谷は、2回までに4奪三振と好調な立ち上がりをみせるも、3回裏に、先頭打者を四球で出塁させると、一死三塁の場面から、2番打者にタイムリーを浴びて、1点を返される。さらに、4回にも2点を失い、2対3と逆転を許すが、日本は7回に反撃を開始。
 二死一、三塁の場面から、伊與田のショートゴロが相手守備のエラーを誘って、この間に、三走が生還。さらに、田村、大谷の連続安打で、再び逆転に成功。
 5対3とした日本だったが、4回以降、大谷に代わって、ここまでパーフェクトピッチングで好投を続けてきた大塚尚仁(九州学院―東北楽天ゴールデンイーグルス)が、9回ついに捉えられる。
 一死から、7番打者にヒットを許すと、9番打者に、外角高めに入った変化球を強振され、打球はスタンドへ。ここで、同点2ランを浴び、試合は5対5の延長戦へと突入する。
 タイブレークが導入された延長10回裏、日本は、二死満塁のピンチから、最後はパスボールで、サヨナラ負けを喫した。

 第2戦はチャイニーズ・タイペイと対戦。この試合では藤浪が好投した。チャイニーズ・タイペイ打線を2安打13奪三振で9回完封。さらに打線も、2回に適時打を放った高橋が、この日初スタメンで3安打を記録するなど、要所で得点をあげて、2対0で勝利した。
 この完封勝ちの勢いそのままに、第3戦のパナマ戦では8対0。続く、第4戦のイタリアとの一戦は、7対1。さらに、第5戦のチェコにも7対0で勝利し、通算成績4勝1敗、グループ2位で一次ラウンドを通過した日本代表。

 しかし、第2ラウンドでも苦戦した。
 第2ラウンド1戦目のコロンビアには、0対3の完封負け。日本は、6本のヒットと四球などから、再三ランナーを得点圏に進めるも、12残塁とホームが遠かった。
 第2戦の韓国との試合では、負ければ決勝進出が消滅する大事な一戦となった。この試合、0対0で迎えた6回表。日本は3四死球で満塁とすると、2番金子凌也(日大三―法政大)の適時打で1点を先制。その後も、パスボールなどから得点を重ね、この回4点をあげた日本。
 また、先発の藤浪も、9回2失点と力投し、4対2で勝利し、接戦の末、決勝進出への望みをつないだ。
 それでも、第3戦のアメリカ戦で、日本は4回まで相手のミスを絡めて、3点を先制するも、4回裏には、ここまで好投を続けてきた先発・神原友(東海大甲府―東海大)が二死二、三塁からレフトへのタイムリーを浴びて、2失点。2番手の濱田も今大会初登板となったが、バッテリーミスがここで出て同点に追いつかれる。
 6回に2点を挙げ、再びリードした日本だったが、アメリカ打線を止めることが出来ない。6回以降は毎回得点で、6、7、8回とこの3イニングで計7点を失って、5対10で敗戦となった。ここで決勝進出の道は閉ざされ、5位、6位決定戦に回った日本。

 5位、6位決定戦では、再び韓国と対決。第1戦のカナダ戦以来の登板となったが、先発の大谷は、この日は安定した投球を披露。常時150キロ台の速球とキレ味鋭いスライダーを武器に快投。
 しかし、韓国は2回に1点、5回に1点と、効果的に得点を加え、9回にも本塁打から0対3と日本とのリードを広げる。日本打線は、韓国の投手陣を打ち崩すことが出来ず、6位で大会を終える結果となった。

 それでも、IBAFが選ぶオールスターには、藤浪と森の大阪桐蔭バッテリーが選出されるなど、各選手の力は高く評価された大会となった。

 第25回IBAF 18U世界野球選手権大会では、投打ともに才能ある選手を揃えたが、国際大会という独特のプレッシャーもあったのか、多くの選手が本来の実力を発揮することができなかった。今でこそ投打の二刀流で活躍する大谷だが、第1戦のカナダ戦では、3回で降板したように、まだ投手として未完成であったことがわかる。だが、今こうして活躍している姿を見ると、世界野球選手権大会の経験がどこかで生きているのかもしれない。
 世界一を狙う日本にとっては悔しい結果となった大会となったが、この思いは、翌年の台湾を舞台に開催された第26回 IBAF 18Uワールドカップで晴らされることとなる。

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開催概要 チケット 放送予定
8月26日(水)18:00 侍ジャパンU-18(高校)代表 2 - 9 侍ジャパン大学代表
阪神甲子園球場

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