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【U-18プレイバック】岡本、浅間、岸など巧打者揃った2014年、惜しくも準優勝に終わったアジア選手権

2015年8月24日

 2014年はタイで、第10回BFA 18Uアジア選手権が開催された。前年以上に、夏の甲子園出場を問わず、全国から有力選手たちが多く選出された。
 この年の夏の甲子園には出場できなかったものの、これまでの活躍や実力が評価され、代表メンバーに選ばれたのは、2013年の甲子園優勝投手・高橋光成(前橋育英-埼玉西武ライオンズ)。走攻守三拍子揃った外野手・浅間大基(横浜-北海道日本ハムファイターズ)。2013年選抜優勝投手の小島和哉(浦和学院-早稲田大)。さらには、強肩巧打の捕手で、このチームの主将を務めた栗原陵矢(春江工-福岡ソフトバンクホークス)と6名の選手が選出された。
 また、夏の甲子園出場メンバーでは、高校生屈指のスラッガー・岡本和真(智辯学園-読売ジャイアンツ)。頭脳的な投球がウリで、日本文理を甲子園ベスト4に導いた飯塚悟史(日本文理-横浜DeNAベイスターズ)。大型左腕・森田駿哉(富山商-法政大)に、俊足強打の脇本直人(健大高崎-千葉ロッテマリーンズ)、甲子園では投手としても、野手としても活躍した岸潤一郎(明徳義塾-拓殖大)など、12名の選手が選出された。

 高校生トップクラスが集結した日本代表は、大会前の近畿大との強化試合でも、6対3で勝利。さらに、関西大との強化試合では、11対2で快勝するなど、力の高さをみせた。
 国際大会では、木製バットを基本的に使用するが、すでに多くの選手が木製に順応したプレーをみせ、鋭い打球を飛ばしていた。とくに良い当たりを見せていたのは、岡本と香月一也(大阪桐蔭-千葉ロッテマリーンズ)の2人。岡本は打撃練習の時から、長打性の当たりを連発していたが、試合でも、ファールで粘りながら甘い球をヒットにする技術を披露。また、香月も練習では力まずに逆方向へ打ち返してから、そのあと強く引っ張るなど、木製バットを思い通りに使いこなしていた。これまでは、各チームでの練習では、あまり取り入れられていなかった木製バットも、U-18などの国際大会の影響から、この頃には、木製バットを使って練習することが高校野球界でも当たり前の光景になっていたことがわかる。

 9月1日からタイで開幕した第10回BFA 18Uアジア選手権。その1次ラウンド初戦を日本はフィリピンと対戦。この試合では、エース高橋が先発。威力ある速球を武器にフィリピン打線を抑えると、打線も序盤からつながって、11対0の7回コールドで大勝。先発・高橋は5回無失点、2番手の森田もキレのある速球でフィリピンを封じた。
 第2戦のスリランカ戦では、先発の山城大智(沖縄尚学-亜細亜大)が好投。山城は、高い制球力とテンポの良い投球で、スリランカ打線を抑え込む。日本は、初戦に続いて、1回に9点、2回に6点を挙げると、その後も得点を重ね、最後は、岸のサヨナラ打で20対0の5回コールド勝ちを収めた。さらに第3戦目は、中国相手に11対0の7回コールド勝ち。飯塚が5回無失点の好投を見せると、2番手の岸も、2回無失点のピッチングで中国打線を無得点に抑えた。1次ラウンドでは、3試合で大量42得点。投手陣も3試合無失点と、圧倒的な強さをみせ、決勝トーナメントに進出した日本。
 準決勝ではチャイニーズ・タイペイと対戦。3回裏に浅間の適時打で1点を先制するも、5回にミスが絡んで1対2と逆転を許してしまう。ここまで、力投していた高橋だったが、5回途中で敢え無く降板。その後、2番手の小島、3番手の岸が無失点投球を続けて、1点ビハインドのまま、9回裏に突入する。
 ここまでチャイニーズ・タイペイの投手陣を打ちあぐねていた日本は、岸田行倫(報徳学園)と、岡本の安打。さらに香月のバントがフィルダースチョイスを誘って、無死満塁のチャンスを作る。ここで打席に立ったのは、途中出場の德本健太朗(龍谷大平安-青山学院大)。徳本が振り抜いた打球はレフト前へと転がる。走者二人が生還し、9回土壇場からの逆転サヨナラ勝利で決勝進出を決めた日本。

 アジアナンバーワンをかけた決勝は、韓国と対戦。先発の森田は自慢の速球を武器に韓国打線に立ち向かう。しかし3回、4回に1点ずつ失い、2点ビハインドで迎えた7回。二死から、4番岡本がライト前ヒットで出塁すると、5番香月が死球で出塁。ランナー2人をためたところで、6番岸が、センターへのタイムリーを放って、ついに1点を返す。しかし、その後、反撃ならず。試合は、1対2で韓国に敗戦。惜しくも、大会準優勝に終わった。

 それでも、攻守ともにハイレベルな野球を展開したこの年、代表メンバーからは、7名の選手がプロ入り。その中で、1番センターの浅間は、高卒1年目ながら北海道日本ハムファイターズで一軍デビューし、すでに32試合に出場(8月4日現在)。他にも、今後、上の世界で活躍する選手は増えてくるだろう。

 侍ジャパンの各世代の活躍が広まるごとに、「侍ジャパンU-18代表を目指したい」と口にする高校生も増え、今では、甲子園だけでなく、日本代表もまた、球児にとっての大きな夢舞台となっている。そして、今年は、U-18 ベースボールワールドカップが日本での開催となった。同大会ではいまだ優勝経験がないだけに、今年こそは悲願の世界一を狙いたい。

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8月26日(水)18:00 侍ジャパンU-18(高校)代表 2 - 9 侍ジャパン大学代表
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