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試合レポート

侍ジャパンU-12代表がワールドカップに向けて直前合宿スタート。初の実戦となった強化試合で課題残す

2015年7月20日

 7月19日から直前合宿を行っている侍ジャパンU-12代表は20日、ボーイズリーグ選抜チームとの強化試合を行った。初めての実戦とあり「みんなの良いところを見せてほしい。力を出してほしい」というテーマが試合前に仁志敏久監督から与えられていた。
 侍ジャパンの先発は、キャプテンで背番号1を付けた伊藤圭輝(広島北リトル)。本来のマウンドの前にシートを並べた形の急造のマウンドに慣れず、初回は、三塁打、四球の後、4番に安打を打たれ、2点を先制される。

 その裏、侍ジャパンU-12代表はあっさりと二死となり、少し嫌なムードが流れるが、ここから奮起する。
 3番・浜岡 陸(加古川リーグ)が安打で、4番・伊藤が四球で出塁すると、5番・庄司光汰(仙台東リーグ)のレフトへのタイムリーで1点。さらに6番・藪内誠志郎(姫路アイアンズ)が四球で出塁し、二死満塁としたところで、7番・吉田隼都(ナガセボーイズ)がセカンドへ強い打球を放つ。これが内野のグラブを弾く安打となり、三塁から伊藤が生還。さらに二塁ランナーの庄司も一気に本塁へ還り2点を追加し逆転。続く8番・池田凌真(市原ポニー)も強い当たりを放ち、相手のエラーの間に藪内、吉田も還りこの回5点を奪取する。
 この回の侍ジャパンU-12代表の、前へ前へという姿勢を生み出したのに一塁コーチャーに入った椎名朝次郎(清瀬ポニー)の働きは欠かせなかった。大きな声と身振り手振りで相手守備の様子や隙を伝え、走者の迷いを消した。

 だが、その次の2回表、ボーイズリーグ選抜チーム打線は、先頭打者から4連打。一呼吸付いたところでまた連打に盗塁と猛攻を仕掛けられ、この回5失点。4回にも1点、5回には3点といずれも足を絡めた攻撃で点を重ねられる。

 反撃に出たい侍ジャパンU-12代表だったが、相手投手の前に抑え込まれてしまう。良い当たりを飛ばすも野手の正面を突き、ランナーを出すことができない。

 結局、試合は5対10で敗戦。
 試合後のミーティングで仁志敏久監督は、
「野球をやって楽しい。それだけなら、ジャパンのユニフォームは着られない。明日からどういう風に戦うか、勝つか、今から考えよう」と選手たちに伝えた。

 このミーティングの後、選手たちは、監督もコーチもかたわらにいない中、選手たちだけで話し合いを行った。そう自分たちで模索することも、この世代のチーム強化の一環となる。

 仁志監督は、そのためのヒントをミーティングでも伝えていた。
「ワンバンの投球をしても、それを受ける仲間は一生懸命止めてくれただろ?それは、一生懸命投げたからだ。一生懸命やれば、お前たちは一人じゃない」
 仲間を信じ、自分の持っている力を出し切ることで、持っている力は何倍にもなる。そのための準備期間が今なのかもしれない。今日の試合での経験を糧にワールドカップに向けて、さらに力強く戦う集団へと成長をみせたい。

侍ジャパンU-12代表 2015
第3回 WBSC U-12 ワールドカップ
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