7月19日から直前合宿を行っている侍ジャパンU-12代表は20日、ボーイズリーグ選抜チームとの強化試合を行った。初めての実戦とあり「みんなの良いところを見せてほしい。力を出してほしい」というテーマが試合前に仁志敏久監督から与えられていた。
侍ジャパンの先発は、キャプテンで背番号1を付けた伊藤圭輝(広島北リトル)。本来のマウンドの前にシートを並べた形の急造のマウンドに慣れず、初回は、三塁打、四球の後、4番に安打を打たれ、2点を先制される。
その裏、侍ジャパンU-12代表はあっさりと二死となり、少し嫌なムードが流れるが、ここから奮起する。
3番・浜岡 陸(加古川リーグ)が安打で、4番・伊藤が四球で出塁すると、5番・庄司光汰(仙台東リーグ)のレフトへのタイムリーで1点。さらに6番・藪内誠志郎(姫路アイアンズ)が四球で出塁し、二死満塁としたところで、7番・吉田隼都(ナガセボーイズ)がセカンドへ強い打球を放つ。これが内野のグラブを弾く安打となり、三塁から伊藤が生還。さらに二塁ランナーの庄司も一気に本塁へ還り2点を追加し逆転。続く8番・池田凌真(市原ポニー)も強い当たりを放ち、相手のエラーの間に藪内、吉田も還りこの回5点を奪取する。
この回の侍ジャパンU-12代表の、前へ前へという姿勢を生み出したのに一塁コーチャーに入った椎名朝次郎(清瀬ポニー)の働きは欠かせなかった。大きな声と身振り手振りで相手守備の様子や隙を伝え、走者の迷いを消した。
だが、その次の2回表、ボーイズリーグ選抜チーム打線は、先頭打者から4連打。一呼吸付いたところでまた連打に盗塁と猛攻を仕掛けられ、この回5失点。4回にも1点、5回には3点といずれも足を絡めた攻撃で点を重ねられる。
反撃に出たい侍ジャパンU-12代表だったが、相手投手の前に抑え込まれてしまう。良い当たりを飛ばすも野手の正面を突き、ランナーを出すことができない。
結局、試合は5対10で敗戦。
試合後のミーティングで仁志敏久監督は、
「野球をやって楽しい。それだけなら、ジャパンのユニフォームは着られない。明日からどういう風に戦うか、勝つか、今から考えよう」と選手たちに伝えた。
このミーティングの後、選手たちは、監督もコーチもかたわらにいない中、選手たちだけで話し合いを行った。そう自分たちで模索することも、この世代のチーム強化の一環となる。
仁志監督は、そのためのヒントをミーティングでも伝えていた。
「ワンバンの投球をしても、それを受ける仲間は一生懸命止めてくれただろ?それは、一生懸命投げたからだ。一生懸命やれば、お前たちは一人じゃない」
仲間を信じ、自分の持っている力を出し切ることで、持っている力は何倍にもなる。そのための準備期間が今なのかもしれない。今日の試合での経験を糧にワールドカップに向けて、さらに力強く戦う集団へと成長をみせたい。
侍ジャパンU-12代表 2015
第3回 WBSC U-12 ワールドカップ
- 大会概要
- 7月24日(金)14:00 日本 12 ○ 0 オーストラリア 試合レポート
- 7月25日(土)14:30 日本 0 ● 8 アメリカ 試合レポート
- 7月26日(日)18:30 日本 1 ● 5 ニカラグア 試合レポート
- 7月27日(月)14:30 日本 21 ○ 0 フランス 試合レポート
- 7月28日(火)14:30 日本 2 ○ 1 メキシコ 試合レポート
- 7月30日(木)18:30 日本 3 ● 7 チャイニーズ・タイペイ 試合レポート
- 7月31日(金)14:30 日本 2 ● 5 キューバ 試合レポート
- 8月1日(土)10:00 日本 2 ● 4 ベネズエラ 試合レポート 放送予定
直前合宿
- 7月19日(日)~7月21日(火)
- 都内
- 7月20日(月)侍ジャパンU-12代表 5 - 10 ボーイズリーグ選抜 試合レポート
- 7月21日(火)侍ジャパンU-12代表 1 - 8 ボーイズリーグ選抜 試合レポート
- 侍ジャパンU-12代表 直前合宿総括
1次合宿
- 7月4日(土)~7月5日(日)
- 都内
- 世界一を目指して 侍ジャパンU-12代表 1次合宿がスタート!