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"世界の野球"日本人指導者の挑戦「香港代表強化合宿 ピンチはチャンス」

2017年1月10日

文・写真=色川冬馬

 初日の負けは、これからの香港野球にとって大きな価値をもたらすと私は信じていた。負けた日の夜、選手の覚悟を磨く事を目的に「真のチャンピオン」の話しをした。私は大学でこのストーリーを学んだが、年々自身の経験を積み重ねるたびに、野球以外の場でも力を発揮してくれるストーリーである。そして、私が牽引するチームでは毎回話をしている。

 この話の中には「Good Loser」と言う話が出てくる。「Good Loser」とは、結果を素直に受け入れ、相手を讃え、いち早く次への歩みを再開出来る人を指している。競技スポーツをやっている特性上、大会を通して負けを経験しないのは1チームだけである。真のチャンピオンとは、誰よりもその悔しさを良く知っていると言う話だ。
 どんなに才能や実力があっても、負けることがあるのが競技スポーツである。試合後、負けたチームがどんな立派な分析をしようとも、口にしてしまえば、全て「言い訳」でしかない。結果を受け入れることに時間をかけてしまってはGood Loserとは呼べず、次へ進めず、そして真のチャンピオンへの道がより遠くなる。どんな相手・試合であっても、結果を素直に受け入れることから始まり、誰よりも早く立ち上がり、誰よりもその悔しさを知った「真のチャンピオン」に向け歩みを進めればいいという話である。

 試合が始まる前のミーティングにて、私はプロの選手としての自覚(マインド)を選手へ求めた。私が考えるプロのマインドとは「その都度、やるべき事を誰よりも理解している人」、一方、アマチュアは「環境の変化や緊張、そしてコントロール不能な事への言い訳が混同し、やるべき事を明確に出来ない人」と選手に伝えていた。初日の試合は、まさに後者であったことが、私は許せなかった。もちろん私の指導者としての未熟さでもあるが、選手へ伝えなければいけないことは厳しくしてでも、徹底して伝えていかなければならない。むしろ、この過程を踏まなければスタート地点にすら立てないと私は思っている。

 以上の様な、戦う覚悟をチームへ浸透させていく為、本気で深く選手の心へ諭していく事と、目標を定めた以上は基準を高く持ち、徹底していく厳しさが指導者には求められる。よって、まずは指導者としての「勇気と覚悟」がいつも試されていると私は思う。同時に、類まれな才能がありながら、才能を生かしきれない選手たちを目の前にして、改めて私に与えられた使命なのだと思えた。

 二日目は、選手・監督、代表関係者の親睦を深めることを目的として全員で改装中の球場見学を行い、その後フェリーに乗って隣の島へ観光にいった。その晩は、私たちが宿泊していたホテルの地下にある室内練習場にてバッティング練習が行われ、翌日の試合への準備を行った。

著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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