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"世界の野球"【第6回】清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記「NZ National Championship」

2015年4月23日

文・写真=元 野球日本代表 清水直行

 4月。ニュージーランドの野球シーズンは、いよいよ佳境に入る。現地では、2月から始まる学校の新学期が終わる時期とも重なる。
 約2週間の長期休暇。この時期、野球界では年に一度のビッグイベントが催される。まず今年は、4月3日から4日間、4月9日から4日間、4月16日から4日間の日程で行われた「NZ National Championship」だ。

 カテゴリーは、13U(歳以下)、15U、18U、シニア(18歳以上)の4つ。各世代で出場チームが2日間の総当りでリーグ戦を行い、残り2日はプレーオフ形式で優勝を争う。頂点に立ったチームが、ニュージーランドで今年の「最強クラブ」の称号を手にすることができる。

 参加チームは、オークランドやウェリントン、クライストチャーチから集まってくる。すべてのクラブが各世代をそろえられるわけではない。例えば、あるチームは選手数の都合がつかず、15Uと18Uのみ出場登録をしている場合もある。

 事情を探ってみると、指導者の不足で練習日を確保できなかったり、18歳を過ぎて他競技へ移っていったりしたケースがあった。野球の普及活動に、もっと多く取り組まなければならないと痛感させられた。

 13U。2020年東京五輪のころには、この年代からも出場する選手が育っているかもしれない。大会で使用したのは、ソフトボールの球場だった。羨ましいぐらいに立派な設備が整っている。敷地内にはスタジアムが2面。さらに練習場所も3面あった。メーンスタジアムには観戦可能なスタンドまであった。

 たが・・・。野球をするとなると、手放しでは喜べない。まずはフィールドの距離。野球よりも塁間やマウンドからホームまでが短い。そもそも、ソフトボール専用だから、マウンドがない。主催者のベースボールニュージーランドは大会前に土を盛り、プレートを埋め込み、手作りマウンドを完成させていた。塁間も野球用に様変わりしていた。

 試合中は、子供たちの真剣プレーに観客席から拍手が起こった。ベンチの近くでは、子供に応援やアドバイスの声を飛ばすお父さんやお母さんもいる。
 日本から約1万キロ離れた場所に、自分の幼いころの原風景が描きだされているようで、うれしくなった。
 成長を見越して買ってもらった体より少し大きめのユニホーム。それを誇らしく身にまとって、砂まみれになりながらボールを追いかける。ニュージーランドでも見つけることができた。野球の原点だ。こんな光景が大好きだ。

清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記
著者プロフィール
清水直行(しみず なおゆき)
1975年11月24日生まれ 京都府出身。日大、東芝府中を経て、99年にドラフト2位でロッテに入団。2002年から5年連続で規定投球回、2桁勝利を継続し、エースとして活躍。05年は31年ぶりの日本一にも貢献した。04年のアテネ五輪、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場。10年から横浜(現:横浜DeNA)。プロ12年間で通算105勝、防御率4.16。現役引退後は、ニュージーランド野球連盟ゼネラルマネジャー補佐、同国の代表統括コーチを務める。

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