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"世界の野球"アジア選手権・日本人監督の挑戦「第27回 BFAアジア選手権 中国代表戦」

2015年9月24日

文・写真=野中寿人

 他国のデータ収集という部分が欠如しているインドネアアマチュア野球連盟。 2007年、代表監督就任初年度のこと。11月末に台中で開催されたアジア選手権大会兼、北京オリンピックアジア最終選考大会に向けたデータ収集の為に渡航をしました。既に、お分りの方も多いと思いますが、星野ジャパンが参戦した大会です。
 この大会にはアジア第2グループの4ヶ国がアジア4強の待つ最終選考大会への出場をかけて戦いました。出場国はフィリピン、タイ、パキスタン、香港になります。

 この大会の1週間後に、東南アジア競技大会がタイのバンコクで開催されたのですが、困ったことに、インドネシアは東南アジア競技大会で対戦をするフィリピンやタイのデータが何も無い状態。この要因から、急遽、アジア選手権大会が開催されている台中に飛び、パキスタンや香港までも含め、連日、試合収録とデータ収集をしました。
 そして、この時入手した貴重なデータは2009年の第8回アジアカップで成果を発揮します。大会期間中、夜中までビデオを繰り返し見て戦略をたてて、香港代表、パキスタン代表と戦った記憶があります。

 今回のアジア選手権大会での、もう一つの目的は、中国代表のデータを収集することです。数字では映らない中国代表を探ること。今回のチームでどこまで付いていけるのか?失策や、まぐれでの得点ではなく、“基本形に則った形”で点を取れるのか?といった部分を探ること「をも試す」ことです。

 今回、パキスタン代表は中国代表に善戦しつつも敗れました。着実に中国代表打破の圏内には入ってきていますが、ここからが正念場です。実際に中国代表を打破するには今までと同じ練習のプログラムをしていたのでは無理です。
 インドネシアとて中国代表の背中は確実に見えています。インドネシアは2016年早々から2018年まで、長期強化練習を決行し、この2年間の活動内容で中国代表を打破することができるか、という要素を含んだ“インドネシア代表の近未来”が決まります。

 アジア第2グループの上位国であるパキスタンやフィリピンを筆頭に、アジア4強の一角である中国代表をその座から引きずり下ろす日が訪れるということを強く意識した今回のアジア選手権大会であったと判断しています。

日本人監督の挑戦
著者プロフィール
野中 寿人(のなか かずと)
1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。

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